【メダルの色は「声のチカラ」で決まる!】
世界最大のスポーツの祭典が東京で開催中ということで、
今月はスポーツにおける声の効果に迫ります!
テニス選手がショットを打つときに「アァーー!!!」と唸り声をあげたり、
陸上競技の投てき選手がスローするときに、
「ア゛ア゛アアアアア!!!」と叫びながら投げたり、
トッププレイヤー達が大きな叫び声をあげますね。
大きな声を出すことで、
神経系における運動制御の抑制レベルを外し、
筋肉の限界値まで力を発揮(覚醒)させる効果があると考えられているそうです。
このような発声効果は「シャウト効果」
または「シャウティング効果」と呼ばれています。
頭が雑念でいっぱいの時には、脳が自分の体にブレーキをかけてしまいます。
頭ではこれ以上力を出すことはできないと感じていたとしても、
実際に筋肉にはまだまだ余裕があるというように、
心理的限界は生理的限界よりもはやく訪れる。
これは無理をしてしまい、筋肉や骨が損傷するのを防ぐために
人間に備わった本能によるものだそうです。
制限がかかった状態では、思い通りのパフォーマンスができないから、
自分の理想のパフォーマンスに近づけるために
このブレーキを外す役割を担うのが「声」というわけです。
脳の中で主に理性や思考を制御する部分は大脳の前頭前野であり、
声を出すことで前頭前野の妨害をし、余計な雑念を振り払うことができます。
また声は直接小脳に働きかけているため、
かけ声は、小脳をはたらかせて動作をスムーズに行う助けをしているのです。
これらは、運動生理学・スポーツ心理学的には、声の「科学的効果」と定義づけられています。
声のチカラは、チームプレーでも発揮されます。
プレー前に緊張をほぐし自信を高める方法として、
セルフトークといった自己暗示方法がありますが、
自分自身に声をかけることで、自分を鼓舞したり、
精神的余裕を持てたり、成功イメージを植え付けるといった
様々な精神的リラックス効果が期待できます。
また、試合前にチーム全員で円陣を組み、
声を出すことで各自のモチベーションややる気をアップさせ、
チームの一体感や団結力を強くすることができます。
さらに、試合中に声を掛け合うことで
互いの存在を認知して接触を避け未然に事故を防ぐためにも重要です。
<声のチカラで強くなれる!>
・最も力をいれる瞬間に声を出して筋力の限界まで引き出す
・リズムやタイミングに合わせた発声で、集中力や持久力がアップする
・セルフトークなど、自己暗示によって集中できる環境をつくる
・チームで一体感を増したり、自分の周囲にも影響を与える
このように、声を出すことがスポーツ科学的に有効であることがおわかりいただけたところで、
世界最強アスリートが集うスポーツの祭典を、
もう一つの筋肉の役割を果たす「声」に焦点を当てて観戦してみることで、
一味違ったスポーツの楽しみ方を発見してみませんか(*^^*)
(出典:藤野良孝著『スポーツオノマトペ ~なぜ一流選手は「声」を出すのか~」(小学館))